理学療法士が教える、分かりやすい呼吸の生理学

健康ブームである昨今、健康法として呼吸法や、呼吸に関する記事がネット上でも沢山紹介されています。

今回の記事では、そもそも呼吸というのはどのようなメカニズムなのか?

理学療法士でかつ、呼吸リハビリの現場に10年以上携わっていた私が、「呼吸の生理学」をできる限り簡単にお伝えします。

 

呼吸のメカニズムとして知っておくべき3つの要素

 

呼吸については東洋ではヨガや武道において心身のコントロールをするために重要な位置づけにあるだけでなく、西洋医学においても呼吸はリラクゼーション効果があるとされ、姿勢とも深く関わっており沢山の研究がなされています。

 

この呼吸は医学的にも生理学的にも重要な意味があり、私たち人間の生命活動において呼吸はなくてはならないものです。この呼吸のメカニズムでまず押さえておくべき3つの要素があります。

それは、、、

「肺」「心臓」「筋肉」の3つです。

 

ワッサーマンの歯車

 

この図はワッサーマンの歯車といって、とても有名な図なのですが、ご覧の通り一番右端に書かれている「肺」で行われているのが『呼吸』ですね。

解り易くいうと大気中の空気から酸素のみを取り込み、その酸素によって身体の各細胞がエネルギーをつくり私たちは活動できるのですね。

なので、水と同じく私たちは呼吸しないと生きていけないわけです。

 

 

これを少し詳しく、図を用いて解説したいと思います。

 

歯車の右側から左側に進み、左側から折り返し、右側に戻ると思って読んでみて下さい。

 

 

息を吸う ⇒ 大気中から空気を取り込む ⇒ 肺で空気から血液中に酸素を取り込む

 

⇒ 心臓が酸素を取り込んだ血液を身体に循環させることで酸素を各細胞に届ける

 

⇒ 筋肉内臓などの細胞の中にあるミトコンドリアが酸素を用いてエネルギーを産み活動する。

 

⇒ ミトコンドリアがエネルギーを作ると不要な二酸化炭素ができる

 

⇒ 二酸化炭素を血液に乗せ心臓の循環によって肺まで運ぶ

 

⇒ 息を吐くことで、不要な二酸化炭素を体の外に排出する

 

 

この一連の流れが『呼吸』の生理学的なメカニズムを簡単に解り易く説明したものになります。

因みに、一番左端の歯車が「筋」となっていますが、これは各種臓器の細胞に置き換えてもらってもいいと思います。

 

呼吸における「肺」、「心臓」、「筋肉」の関わり

 

ここまで簡単に呼吸の生理学的側面を解説しましたが、

『肺による呼吸』

『心臓による循環』

『筋肉(細胞)による活動』

 

これらは3位1体であり、いずれも深く関わり合っています。

 

 

当然ながら、肺炎や、心臓の弁膜症など、『肺』、『心臓』そのものの病気があれば『筋』は衰えます。

 

一方、『足の骨折』をして、一時的に活動ができず『筋肉』を十分に動かすことができないと、循環が悪くなりそれだけで足がむくんだり、以前と同じように動いても息切れをするようになる場合があります。

 

また、リハビリテーションの分野において、『心臓リハビリ』というのがあります。

 

初めて、聞くか方は皆さん口を揃えて、『え? どうやって心臓のリハビリなんかするの?』と言われるのですが、先ほどの歯車を思い出してください。

 

私たちは直接的に『心臓』を揉みほぐしたりできない代わりに、人体の中でも最もたくさん筋肉がついている下肢の運動(下肢の筋トレ)をしたり、より酸素を多く取り込むような有酸素運動(自転車こぎ等)を通して、ワッサーマンの図の両側の歯車を回すことで、心臓に働きかけ、『心臓をリハビリする』ことができるのです。

 

まとめ

・『呼吸』は肺だけを考えるのではなく、心臓や筋活動なども含めた血液の循環システムであると考える。

・なので、肺や心臓の衰えや病気は下肢筋力などにも影響する。

・逆に下肢の筋力強化(筋トレ)をすることで、心肺機能を高めることもできる。

 

非常に簡単ではありますが、呼吸の生理学のメカニズムを解説させていただきました。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

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